建司の書斎

「キリスト者の希望」、「愛を学ぶ」等の著者、故相澤建司の遺稿説教原稿・聖書研究など。

復活

トマスへの顕現  ヨハネ20:24~28

2002-21(2002/6/9) トマスへの顕現1 ヨハネ20:24~28 他の弟子たちは復活の主に触れることなく、主の復活を信じた。しかしトマスは「主の手と脇腹との傷痕に触れること」がないならば、イエスの復活を納得できないと言い切った(25節)。「…

エマオの弟子たちへの説明  ルカ24:25~32

2002-20(2002/6/2) エマオの弟子たちへの復活させられた方の説明 ルカ24:25~32 復活のイエスご自身がエマオに向う弟子たちにこう語られた、 「(復活の)イエスは二人に言われた『ああ、預言者たちが言ったことを何ひとつ信じなない、悟りの…

ルカの復活理解3&4  ルカ24:36~43

2002-17(2002/5/12) ルカの復活理解3 ルカ24:36~43 《イエスの復活における身体性》に関して、パウロの見解「霊の体」とルカ(およびヨハネ)「骨と肉の体」の双方を新約聖書は述べている。ではこれ対して私たちはどう判断したらよいのか。…

(復活)モルトマンの立場  ロマ8:34

2002-14(2002/4/21) モルトマンの立場 ロマ8:34 モルトマンも《復活の史実性を否定する》。 むろん彼は復活を否定しているのではなく、むしろ彼は現代の神学者の中で最も精力的に復活を肯定して力強く復活論を展開している一人である。彼が復活の…

キリスト者の復活6  第一コリント15:55~56

2001-47(2001/11/18) キリスト者の復活6 第一コリント15:55~56 さてバルトの講解をみてみよう。 「実際人生にまとわりついている死に<停まれ>が命じられるためには、人間に最後終極的に目標を差し込む神の奇跡が必要である。<そこからし…

キリスト者の復活5 第一コリント15:55~56

2001-46(2001/11/11) キリスト者の復活5 第一コリント15:55~56 「『死の刺は罪である。しかし罪の力は律法である』(56節)における『とげ・刺』によってパウロは何をいおうとしたのか。死は刺をもつかのように描かれる。パウロはそこに罪…

キリスト者の復活4  第一コリ15:55

2001-45(2001/11/4) キリスト者の復活4 第一コリ15:55 ここで、キリストによる「死の征服」の意味を明らかにする必要がある。「キリスト・イエスは《死を征服し》福音をとおして生命と不死とを明らかにした」(第二テモテ1:10)。パウロも…

キリスト者の復活3  第一コリント15:54~55

2001-44(2001/10/28) キリスト者の復活3 第一コリント15:54~55 54節の旧約聖書の引用箇所「死は勝利に飲みつくされてしまった」は、ヘブル語聖書のイザヤ25:8「主は永遠に死を滅ぼされる」(周知のように、ここは第一イザヤ自身よりの…

キリスト者の復活2  第一コリント15:53~

2001-43(2001/10/21) キリスト者の復活2 第一コリント15:53~ 53節「というのはこの滅びゆくものは不滅のものを着せられ、またこの死ぬべきものが不死なるものを着せられ《なければならない》からである」。 ここは復活の意味、変容の意味を…

キリスト者の復活1  第一コリント15:50~57

2001-42(2001/10/14) キリスト者の復活1 第一コリント15:50~57 「兄弟たちよ、 このことを私は言いたい、肉と血は神の国を受け継ぐことはできない、滅びゆくものは不滅のものを受け継ぐことはできないと。見よ、私はあなたがたに奥義を告げ…

マグダラのマリアへの復活顕現2  ヨハネ20:17

2001-40(2001/9/30 マグダラのマリアへの復活顕現2 ヨハネ20:17 ヨハネの場合に初めて、復活は父のもとへと上っていき栄光を受けることで完成するとみなされた。しかしヨハネはこの上っていくこと・昇天をこれ以上は述べていない。マリアは上っ…

マグダラのマリアへの復活顕現  ヨハネ20:13~17

2001-39(2001/9/23) マグダラのマリアへの復活顕現 ヨハネ20:13~17 ヨハネ伝は、復活のキリストが最初に現われたのは、ペテロではなく、マグダラのマリアであったと述べている。マタイ28:1以下、ヨハネ20:11以下、マルコ16章の追…

復活の体2  ルカ24:39~43

2001-38(2001/9/16) 復活の体2 ルカ24:39~43 第二に、イエスの「霊的体への復活」ではなく、「イエスの肉体への復活」というルカやヨハネの立場を支持して受け入れるキリスト者は、現代においても多数存在することは確かである。先の使徒後…

復活の体1  ルカ24:36~43

2001-37(2000/9/9) 復活への疑いを克服するモチーフ ルカ24:36~43 この記事(ルカ24:36以下)の動機づけは、イエスの復活に対する弟子たち自身の「疑いを克服すること」にあると考えられる。 福音書の復活顕現記事を注意深く読んでいく…

復活に対する心理学的解釈の問題

2001-36(2001/9/2) 復活に対する心理学的解釈の問題 死人の復活は、第一に、「死人の蘇生」とは別物である。新約聖書にもラザロの復活(ヨハネ11章)ヤイロの娘(マルコ5章)などの蘇生の奇跡が述べられている。しかし蘇生された人々はやがて死ぬ…

死人の復活4  第1テサロニケ4:16~17

2001-35(2001/8/26) キリスト者の復活5 第1テサロニケ4:16~17 17節後半。パウロは移された者たちと主との結びつきについて述べている「私たちはいつも主に結びつけられているであろう」。ここでは16節後半の主語「眠っている者たち」と…

死人の復活3  第一テサロニケ4:16~17

2001-33(2001/8/12) キリスト者の復活4 第一テサロニケ4:16~17 主の来臨における「出来事」については、「二つ」語られている。一つは「死人たちの復活」の出来事であり(16節後半)、もう一つは「生ける者たちが、《復活させられた死人た…

死人の復活2 第一テサロニケ4:13~17

2001-32(2001/8/5) キリスト者の復活3 第一テサロニケ4:13~17 パウロは「主の言葉による確信を表明している」15節。すなわち「主の来臨のおりに生き続ける、私たち生ける者たちが、眠っている人々に先んじることはけしてないであろう」。 …

死人の復活1  第一テサロニケ4:13~17

2001-31(2001/7/22) 死人の復活1 第一テサロニケ4:13~17 「しかし兄弟たちよ、あなたがたが《眠っている人々》について無知のままでいないように私たちは欲している。まったく希望をもっていない他の人々のように、あなたがたが悲しむことが…

キリスト者の復活  第一コリント15:50以下

2001-30(2001/7/15) キリスト者の復活 第一コリント15:50以下 キリスト者の復活についての新約聖書の箇所。 現代のキリスト者の問題の一つには「死後のテーマ」がキリスト者の意識から脱落している点があるようだ。しかもこの脱落は自覚されるこ…

キリストと共に4  ピリピ1:23

2000-38(2000/10/22) キリストと共に4 ピリピ1:23 「私が切望しているのは、(世を)発ち去って、キリストと共にいることである。そのほうがはるかによいからだ」 「世を発ち去る・アナルオー」は、死、旅立ち、を意味しているが、停泊した船が…

キリストと共に3  ピリピ1:21~22

2000-37(200/10/15) キリストと共に3 ピリピ1:21~22 「死は利益だからだ。しかし肉にある生の場合は、それは私には業の収穫である」 「死は利益」について。この文からはパウロの述べた内容はつかみにくい。現代人の感覚では、「死はすべての…

キリストと共に2  ピリピ1:21

2000-36(2000/10/8) キリストと共に2 ピリピ1:21 「なぜなら私にとって生はキリストであり、死は利益だからだ」 「生はキリスト」は、説明不足で文意が必ずしも明らかではない。バルトはこの言葉に対する「決定的な注釈」がガラ2:20であると…

キリストと共に1  ピリピ1:20~24

2000-35(2000/10/1) キリストと共に1 ピリピ1:20~24 「私の渇望している希望は、自分が決して恥を受けることではなく、むしろいつもそうなったようにまさしく今もまた、[私の]生をとおしてであれ死をとおしてであれ、私の体でもってキリス…

キリスト者の復活6  第一コリント15:56~57

2000-34(2000/9/24) キリスト者の復活6 第一コリント15:56~57 「死の刺は罪である。しかし罪の力は律法である。しかし神に感謝せよ、私たちの主イエス・キリストをとおして私たちに勝利を与えたもう神に」 15:50節以下の、注解書は、パ…

キリスト者の復活5  第一コリント15:55~56

2000-33(2000/9/17) キリスト者の復活5 第一コリント15:55~56 「『死よ、おまえの勝利はどこにあるのか。死よ、おまえのとげ(刺)はどこにあるのか』と。死の刺は罪である。しかし罪の力は律法である」 旧約聖書からの引用の第二は、ホセア…

キリスト者の復活4  第一コリント15:53~54

2000-32(2000/9/10) キリスト者の復活4 第一コリント15:53~54 「というのはこの過ぎ行くものは不滅のものを着、またこの死ぬべきものが不死なるものを着《なければならない》からである。しかしこの過ぎ行くものが不滅のものを着、この死ぬ…

キリスト者の復活3  第一コリント15:53

2000-31(2000/9/3) キリスト者の復活3 第一コリント15:53 「というのはこの過ぎ行くものは不滅のものを着、またこの死ぬべきものが不死なるものを着《なければならない》からである」。 ここは復活の意味、変容の意味を説明している。その意味…

キリスト者の復活2  第一コリント15:51~52

2000-30(2000/8/27) キリスト者の復活2 第一コリント15:51~52 「私たちすべてが眠りにつくのではなく、むしろ私たちすべてが変容されるであろう。一瞬に、またたく間に、最後のラッパが鳴り渡る時。というのはラッパは鳴るであろう。すると…

キリスト者の復活1  第一コリント15:50~57

2000-29(2000/8/20) キリスト者の復活1 第一コリント15:50~57 従来キリスト教信仰の中心テーマである「キリストの復活」については、真剣に精力的に研究されても、「キリスト者の復活」については、付録的、第二義的にしか取り上げられない…