旧約聖書における絶望と希望
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(九) ヨブ記における希望ー1 ヨブ記は知恵文学に属すが、成立は前四〇〇年頃。義人の味わう不当な苦しみを主題としている。ヨブ記では、人間の希望の可能性について徹底して《批判的な論…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(八) 詩篇 詩篇はイスラエルにおける礼拝の中で聖歌隊や会衆よって歌われた讚美歌集で一五〇篇からなる。古いものではダビデの時代(前一〇〇〇年ころ)にさかのぼるものがあり、半数以上…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(七) 第二イザヤにおける希望-3 新しい出エジプト 第二イザヤは、「先のこと-新しいこと」の対比を先の国際政治的な文脈ばかりでなく、救済史の文脈でも語っている。この文脈では「先の…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(六)エゼキエル エゼキエル 預言者エゼキエルは第一回のバビロン捕囚の時、エホヤキン王、王族、高官、技術者らと共にバピロニアに連行された(前五九八)。彼はその地で預言者としての召…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(五)エレミヤー1 エレミヤの絶望 エレミアの預言には、神との格闘を表現した「エレミヤの告白録」がある(一二:一~五、一五:一〇~一二、一八:一八~二三、二〇:七~一八など)。こ…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(四) イザヤ ここでのイザヤは、イザヤ書一~三九章にその預言活動が残されている預言者のこと、四〇~五五章を残した第二イザヤとは区別される。 イザヤの活動の舞台は、南王国ユダの都エ…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(三) 預言者エリア エリアは、その預言活動が自分や弟子らによって文書として残された記述預言者ではないがイスラエルにおける最初の預言者である。エリアの活動の時期は、前八六九~八五…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(二) マクペラの洞窟 アブラハムに対する神の二つの約束「子孫增大」と「カナンの土地取得」(一五章など)のうち、後者の土地取得の約束は、出エジプト記やヨシア記のテーマになっていて…
2001講壇(2001/6/17~2002/2/3) 旧約聖書における絶望と希望(一) アブラハムの試練ー1 アブラハムに待望の子イサクが生まれた(創世二一章、「イサク」という名は子の誕生の予告の時、こんな老齢の夫婦に子など生まれるはずがないとの、アブラハム…