建司の書斎

「キリスト者の希望」、「愛を学ぶ」等の著者、故相澤建司の遺稿説教原稿・聖書研究など。

2021-07-28から1日間の記事一覧

Ⅴー復活の史実性の問題性-2 史実的研究方法の問題② 

パンネンペルクの立場 さて「イエスの復活は史実的出来事である」と主張する現代の唯一の神学者パンネンベルクの見解をみてみよう。 「歴史家[聖書学者]は原始キリスト教の成立に導いた復活の出来事の歴史的な関連を再構成する義務を負っている。その場合、…

Ⅴー復活の史実性の問題性-2 史実的研究方法の問題① 

史実的研究方法の問題 さて聖書の解釈に対して「史実的方法」を提起したのは、ドイツの神学者エルンスト・トレルチである(一八六五~一九二三、著書「教会の社会的教説」など)。彼は「神学における史実的方法と教義学的方法」(一八九八)という論文の中でこう…

Ⅴー復活の史実性の問題性-1 心理学的解釈 

第五章 復活の史実性の問題性 「人間の希望は人間の死によってついえ去ってしまう」 という逃れようのないアポリア・難局をもっている。この難局を突破する希望の形としては、ヨブの希望があった。そして死によってもついえ去ることがない希望がキリスト教の…