建司の書斎

「キリスト者の希望」、「愛を学ぶ」等の著者、故相澤建司の遺稿説教原稿・聖書研究など。

2021-08-02から1日間の記事一覧

Ⅵーパウロの復活理解-3 後期ユダヤ教「死人の復活」

死人の復活を否認する人々 原始キリスト教は、後期ユダヤ教の黙示思想(世の終末、最後の審判、死者の復活など)における「人の子の切追した来臨への待望」「世の終りにおける死者一般の復活への待望」を引き継いだ(ケーゼマン「キリスト教神学の起源としての…

Ⅵーパウロの復活理解-2 使徒行伝九章パウロへの顕現

使徒行伝九章 ここでダマスコ途上で回心してキリスト者となった記事、行伝九、二二、二六章にあるパウロの復活のキリストとの出会いについて、言及したい。パンネンベルクは、第一コリント一五・八以下と行伝九章を連動させて取り上げた(「キリスト論要綱」)…

Ⅵーパウロの復活理解-1 パウロが受けた復活伝承③

五〇〇人以上の兄弟への顕現 第一コリ一五・六。パウロはこの「五〇〇人以上の兄弟」で原始教会のメンバーを考えていたことは確かである。この箇所は元来定形的伝承にあったものではなく、パウロ自身が書いたものだ。 これはいつごろの時点のキリスト者集団…

Ⅵーパウロの復活理解-1 パウロが受けた復活伝承②

ぺテ口と一二人への一顕現(五節) ケパ・ペテロ(ペテロの名はへブル名シメオンの、ギリシャ的呼び名シモン。アラム語のあだ名が「岩」を意味するケパ、そのギリシャ語訳がペテロ。出身はガリラヤのべツサイダ。職業は漁師。結婚していて兄弟にアンデレがいる…

Ⅵーパウロの復活理解-1 パウロが受けた復活伝承①

第六章 パウロの復活理解パウロが受けた復活伝承 第一コリント一五・三一七のパウロの復活証言は、新約聖書の最古の、信頼しうる復活の報告である、グラース。この書簡は後五六~五七年に成立し、自ら復活顕現に出会ったパウロが書いたもので、福音書の復活…