著書「キリスト者の希望」
空想 ドストエフスキーは囚われ人と牢獄の外にいる自由な人とでは、現実の生活に占める《空想、希望》の重みが全く異なるという(「死の家の記録」一八六二、小沼文彦訳、この作品は周知のように政治囚として彼が四年間西シベリアのオムスクの牢獄に入れられ…
Ⅰ 囚われ人の希望Ⅰ-1 解放としての希望 希望というテーマについて探求する場合、ひときわ希望について(考えざるをえない人々)が存在するように思える。それは苦境にある人々である。一般に順風満帆にある人、静かで落ち着いた生活をしている人々には、希望…