建司の書斎

「キリスト者の希望」、「愛を学ぶ」等の著者、故相澤建司の遺稿説教原稿・聖書研究など。

2021-07-15から1日間の記事一覧

Ⅰ.囚われ人の希望-4 孤独

孤独ドイツの神学者ボンヘツファーは「私たちは交わりの中にいることにおいてのみ、 一人でいることができる。一人でいる者だけが、交わりの中に生きていくことができる」と語った(「交わりの生活」一九五五)。この見解は、孤独になれない状況に置かれた人間…

Ⅰ.囚われ人の希望-3 強制労働-労働の意味は給料にあるのか

強制労働-労働の意味は給料にあるのか ドストエフスーは「心をこめた過度の仕事、これこそ一番の幸福です」と拘置所から兄宛の手紙に書いた。石川啄木も「こころよく 我に働く仕事あれ それをし遂げて死なんとぞ思ふ」と歌った(「我を愛する歌」)。現代人に…

Ⅰ.囚われ人の希望-2 空想

空想 ドストエフスキーは囚われ人と牢獄の外にいる自由な人とでは、現実の生活に占める《空想、希望》の重みが全く異なるという(「死の家の記録」一八六二、小沼文彦訳、この作品は周知のように政治囚として彼が四年間西シベリアのオムスクの牢獄に入れられ…

Ⅰ.囚われ人の希望-1 解放としての希望

Ⅰ 囚われ人の希望Ⅰ-1 解放としての希望 希望というテーマについて探求する場合、ひときわ希望について(考えざるをえない人々)が存在するように思える。それは苦境にある人々である。一般に順風満帆にある人、静かで落ち着いた生活をしている人々には、希望…